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日本臨床化学会 事務局
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理事長挨拶(2021年4月)

理事長就任のご挨拶

一般社団法人日本臨床化学会代表理事
三井田 孝
(順天堂大学大学院臨床病態検査医学)

 令和3年4月1日より、前川真人先生の後任として、日本臨床化学会の理事長を引き継ぐことになりました。本学会の理事長は、臨床化学分野の錚々たる先生方がその職務に就かれてきました。大変光栄であるとともに、その重責に身が引き締まる思いです。
 日本臨床化学会は、1961年に大阪で行われた第一回医化学シンポジウムが始まりと聞いております。発足した頃から、泊まり込みの会で活発な議論が行われ、1974年からは夏季、冬季セミナーが始まりました。私が入会した当時は、まだ夏季セミナーが行われており、同じ宿泊先に滞在することで、学会幹部の先生方と気兼ねなくお話ができたことに加え、背景の異なる多くの研究仲間と出会うことができました。現在の学術集会は、夏季セミナーの内容を年次学術集会に取り込んだ形で行われています。本学会は、分析化学、医療工学、薬学、臨床医学、臨床検査学などの分野で活躍する基礎系、臨床系、産業系の正会員と、企業会員、学生会員から構成されています。近年では、臨床化学を学ぶ多くの学生さん達が学術集会へ参加するようになりました。
 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、学会史上初めて学術集会を完全なWeb形式で開催しました。学会運営費が増加する中で、資金集めは年々厳しくなっており、多くの学会で年会費の値上げや学術集会の参加費の値上げが行われています。本学会では、30歳未満の若手会員の年会費は低く抑え、正会員の年会費は据え置いたままです。経費削減のため、役員のWeb選挙や委員会のWeb会議なども取り入れました。昨年の学術集会では、抄録集を電子化し、郵送費の節約にも努めました。国内外で、学術誌の電子化の動きはますます加速しています。本学会でも、紙媒体の「臨床化学」を電子化し、インターネットを介して情報を配信する準備を進めています。一方で、オンサイトの会議や集会は、会員相互の交流を深め産学共同研究を推進できる絶好の機会でもあります。ワクチン接種が進んでコロナ禍が収束した時に、学会活動や学術集会はどうあるべきか、会員の皆様と一緒に考えていきたいと思います。
 私は、本学会では長い間甲信越支部で活動し、支部長も務めました。2008年に関東支部へ移動し、関東支部でも支部長だった時に、若い臨床検査技師を中心とした臨床化学の勉強会を立ち上げました。この会からは、2名の評議員が巣立っています。本学会において、将来学会をリードしていく若い人材を育成することが急務です。新年度より、ありかた委員会の下部組織として「若手育成委員会」を立ち上げ、具体的に何をすべきか検討を開始します。新年度の役員人事でも、理事長推薦で40代の若い先生方3名が理事に就任します。新体制では、理事長を除く理事18名中6名が女性で、本学会のダイバーシティを推進する大きな力になるはずです。
 本学会の特徴である臨床検査の標準化とハーモナイゼーションの推進、新しい測定技術の開発、学術的成果の世界へ向けての発信、各種認定制度の普及など、前川先生が尽力されてきた事項についても、さらに前進させるつもりです。
 会員の皆様はもちろんのこと、国内外の学術団体、関連企業の皆様と共同しながら、本学会をさらに発展させるよう努力していく所存です。皆様のご指導とご支援を心よりお願い申し上げます。

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