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日本臨床化学会 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10-605
株式会社エム・シー・アイ内
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自己紹介
2002年 九州大学医学部卒。2002年九州大学病院・第三内科(病態制御内科学)に医師として入職。2010年 九州大学大学院医学系学府博士課程修了(高柳涼一教授・福井宣規教授)、博士（医学）取得。 2013年より九州大学病院・検査部(康東天教授)に助教として赴任した。 2021年より九州大学医学部 講師を兼務し、現在に至る。
研究の紹介と今後の抱負
この度は名誉ある日本臨床化学会「学術賞」にご選出いただき、大変光栄に存じます。選考委員会の先生方、本学会の理事長ならびに諸先生方に厚く御礼申し上げます。ご推薦及びご指導いただいた康東天教授（九州大学 大学院医学研究院 臨床検査医学分野）、共著者の先生方、共同研究をしていただいた企業ならびに研究を支えて頂いた研究室のメンバーと家族に深く感謝申し上げます。 樹状細胞は、病原体に対する免疫応答のみならず、過剰な免疫応答を抑制する免疫寛容にも関与しているため、アレルギー性疾患や自己免疫疾患への関連が指摘されています。私たちのグループは、ミトコンドリアに局在したんぱく質の翻訳や代謝を制御する分子の一つであるp32/C1qbpに着目し、2013年より樹状細胞の代謝・活性化におけるミトコンドリアを介する経路を解析してきました。これまでに、敗血症の増悪するミトコンドリア依存的なメカニズム(九州プロサーチ有限責任事業組合との共同研究)・ミトコンドリアの代謝と卵アレルギーの関係・乾癬のミトコンドリア活性酸素依存的な増悪の分子メカニズムなどの一部を解明いたしました。 今後は、教育・臨床・研究においてさらなる「臨床化学」の発展に貢献できるよう精進してまいりますので、今後とも何卒ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
自己紹介
1993年山口大学医学部医学科卒、1993年4月より山口大学医学部附属病院産婦人科にて勤務、2001年4月より山口大学医学部臨床検査医学講座助手、2001年山口大学大学院医学研究課程修了、2002年4月～2004年3月MD Anderson Cancer Center文部省在学研究員、2007年4月より山口大学大学院医学系研究科 臨床検査・腫瘍学講座講師、2011年4月より同准教授（現職）。学位は博士（医学）、専門は遺伝子検査。
研究の紹介と今後の抱負
この度は学術賞をいただき心より感謝申し上げます。自己紹介に書いたとおり本受賞に至るまでの道のりは長く、私は元々産婦人科医でした。当時の恩師の加藤紘先生（産婦人科元教授）が子宮頚癌の腫瘍マーカーであるSCC抗原を発見されただけでなく、臨床検査としての実用化を果たされたことが一つのきっかけとなり、研究の道に進みたいと思うようになりました。そんな中、臨床検査医学講座の教授として赴任されたばかりの日野田裕治先生に誘われ、同講座に異動し研究に専念することになりました。さらには米国留学の機会も与えていただき、遺伝子メチル化解析の最先端技術を学ばせていただきました。ただ、その当時の解析方法は煩雑な工程の割には最小検出感度が不十分であり、データを出すのに本当に苦労したので、帰国後はシンプルな工程で高感度検出可能な新しいメチル化解析技術の開発を行ってきました。そして、本技術を用いた便中のメチル化TWIST1（大腸腫瘍のバイオマーカー）レベル測定が早期大腸がんの診断に有用であることを発見し、今回の受賞に至りました。本技術の臨床検査の実用化を目指して研究開発を進めていきますので、今後も日本臨床化学会の先生方のご指導・ご鞭撻をいただけましたら幸いです。
自己紹介
2004年九州歯科大学卒業。2010年熊本大学大学院医学教育部修了、博士（医学）取得。2010年より熊本大学病院中央検査部・医員、特任助教、2014年より浜松医科大学・特任助教。2015年熊本大学大学院生命科学研究部 臨床病態解析学講座・講師を経て、2017年より同・准教授（現職）。2021年より保健科学大学 客員教授を兼任。
研究の紹介と今後の抱負
この度は名誉ある日本臨床化学会「奨励賞」にご選出いただき、大変光栄に存じます。選考委員会の先生方、本学会の諸先生方に厚く御礼申し上げます。ご推薦及びご指導いただいた熊本大学大学院生命科学研究部 臨床病態解析学講座 松井啓隆教授、研究を支えてくださった研究室のメンバーと家族に深く感謝申し上げます。 様々な癌種で検出されている、クラスター化した血中循環腫瘍細胞（CTC）は非常に転移能が高いことが知られておりますが、その特性はほとんど知られておりません。私たちは、DNAバーコーディング法による癌細胞の高解像度トラッキングを行うことで、循環血液中の流体剪断応力（FSS）に適応性を示すCTCクラスターの起源癌細胞集団が存在すること、それらが遠隔臓器に優先的に生着することを明らかとしました。これら特有の集団は、FSS下においても、Rac1依存的なアクトミオシンの調節によって細胞間接着を安定化させていることを示しました。私たちは、このような癌細胞自身の力覚応答性に関連したクローン選択機構を「メカノセレクション」と名付けました。 今後は、この知見をさらに発展させることで転移・再発の仕組みの解明に取り組み、癌の診断・治療法の開発、そして本学会の発展に貢献できるよう精進して参りますので、今後とも何卒ご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
自己紹介
2014年 信州大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒、同年に臨床検査技師免許取得、2015年 信州大学医学部附属病院臨床検査部入職、2019年 信州大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程修了、博士（保健学）を取得、同年より順天堂大学大学院医学研究科ゲノム・再生医療センター（臨床検査医学講座配属）博士研究員として赴任し、現在に至る。
研究の紹介と今後の抱負
この度は、歴史ある臨床化学会の奨励賞に選出頂き、学会ならびに選考委員の先生方、ご指導頂いた先生方に心より御礼申し上げます。私は、大学院に入学後、「疾患バイオマーカーとしての生体脂質分子プロファイル変化の解明」をテーマとして研究を開始しました。脂質は、分子構造に含まれる脂肪酸の種類などによって様々な分子種が存在し、脂質分子種は臓器組織で特徴的な組成で分布しています。そのため、疾患などにおける脂質変化は総濃度だけでなく脂質分子プロファイル変化として捉えることで病態生理の解明や疾患バイオマーカーの探索に役立つ可能性があります。これまでの研究で、質量分析を用いたリン脂質や糖脂質の血中分子種の同定と定量的な分析法を構築してきました。本研究発表では、サルコイドーシスと比較して、IgG4関連呼吸器疾患の気管支肺胞洗浄液で数種類の長鎖不飽和脂肪酸含有リン脂質が低値となることを見出しました。今後も、臨床検査への応用を目指した、様々な脂質分子プロファイル分析法の構築とその臨床的意義を明らかにできるようさらに精進してまいりますので、何卒ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
会社紹介
この度は日本臨床化学会学会賞(技術賞)を拝受し、誠に光栄に存じます。代表理事、選考委員会の先生方、研究開発の御指導を頂いた諸先生方に心より感謝いたします。 シスメックス株式会社は「ヘルスケアの進化をデザインする。」を企業理念のミッションに掲げ、受賞対象となりました本製品を含め、臨床検査機器、検査用試薬ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入を通じて日本及び世界中の医療の発展や人々の健やかな暮らしに貢献して参ります。
研究の紹介と今後の抱負
OncoBEAMTM RAS CRCキットは本邦初の大腸がんリキッドバイオプシー検査として、血漿から抽出したcfDNA(cell free DNA)中の微量なctDNA(circulating tumor DNA)のRAS遺伝子変異(KRAS及びNRAS)を検出する体外診断用医薬品です。本製品は血漿を検体としてRAS遺伝子変異検査を実施できるため、組織検体の入手困難な患者でもRAS遺伝子変異検査が実施可能となり、現状では検査結果が得られない患者に対して適切な医療を受ける機会の提供に貢献するものになります。また、リキッドバイオプシーの利点として薬剤投与時点の最新の遺伝子変異状態を把握でき、合わせて組織検査で問題となる腫瘍の不均一性を回避できるため、FFPE組織検体を用いる従来の検査よりも、より最適な個別化医療の実現が期待できます。今後も単に製品開発に留まらず、リキッドバイオプシーという技術の臨床的価値を証明・創造していくことで、臨床化学の益々の発展に寄与していきたいと考えております。 弊社は今後も様々な検査の分野で医療へ貢献できるよう研究開発を推進して参ります。
左から、山川賢太郎、今泉正恭(代表者)、
西井友教、八木慎太郎
会社紹介
この度は栄誉ある日本臨床化学会学会賞 技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。選考いただきました、日本臨床化学会代表理事、第61回学術集会会長、選考委員会の先生方をはじめ、本試薬開発にご指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます。 富士レビオ株式会社は H.U.グループの一員として、「新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」という経営理念に則り、新興感染症を含む、様々な臨床検査試薬、分析システムの開発に取り組んでいます。私たちは健康で豊かな社会づくりと世界の医療に貢献するために、独自性の高い新製品の開発や次世代のコア技術の確立を目指した活動を行っております。
研究の紹介と今後の抱負
私たちはこれまでも、特に国難になり得るリスクが高い新興感染症に対し、迅速に対応することに努めてきました。新型コロナウイルスに対しては、武漢で蔓延した感染性肺炎の原因が本ウイルスである事が報告された翌月には、想定される様々な臨床現場のニーズに応えられる検査試薬開発を決定しました。そして、非常に短期間のうちに、簡易迅速検査試薬の「エスプライン®SARS-CoV-2」、全自動高感度定量検査試薬の「ルミパルス®SARS-CoV-2 Ag」と「ルミパルスプレスト®SARS-CoV-2 Ag」を開発、上市しました。感染症検査薬においては高感度化と変異対応は必須であり、これらの試薬には、当社が培ってきた高感度化技術を適用すると共に、変異に対して強固な試薬となる様、抗原の機能ドメインに対する複数の抗体を用いました。2021年10月時点で測定に影響を与える変異は見つかっておらず、変異を想定した試薬設計が奏功したと考えています。また、鼻腔ぬぐい液検体の適用や定量試薬への唾液検体の適用などにより、自己採取可能な試料への検査対象拡大にも寄与することができました。これら試薬の早期開発・上市により、国内外の新型コロナウイルス検査体制の構築や、検疫への利用など公衆衛生においても社会貢献できたものと考えています。 今後も臨床検査に係る技術の開発を進め、新興感染症に限らず、臨床現場のニーズにスピーディにお応えすると共に、新しい価値を生む試薬やサービスを提供することで社会に貢献できるよう努めてまいります。
自己紹介
1987年 東北大学医療技術短期大学部 衛生技術学科卒業。同年、和光純薬工業株式会社に入社。双子の育児のために離職するまでの13年間、臨床検査薬の技術・学術業務に携わる。2005年 東北大学先進医工学研究機構 技術補佐員、2007年 宮城大学看護学部 基礎専門演習助手の勤務を経た後、2008年4月 東北大学病院 診療技術部検査部門に勤務。主に生化学検査を担当し、現在に至る。取得資格 1987年 臨床検査技師、2013年 二級臨床検査士（臨床化学）
研究紹介
この度は名誉ある日本臨床化学会・論文賞に選出していただき誠にありがとうございます。 日本臨床化学会ならびに選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。また、ご指導いただきました先生方、ご協力いただきました皆様に心より感謝いたします。 本論文は、ALP活性測定の従来法であるJSCC標準化対応法から、国際的な標準であるIFCC標準化対応法への変更に際し、患者の診療科、血液型、妊娠週数などの背景とALPアイソザイムの関連性を調査解析し、2法を評価した研究です。個々の患者情報を診療カルテから調査することは多くの時間と根気を要する作業でしたが、血液型および食事摂取後の小腸型ALPへの影響と、これまで報告が少なかった妊娠週数と胎盤型ALPの出現の詳細な関係性をまとめることができました。さらに、日本臨床化学会から提示された換算係数と基準範囲についての妥当性を検証いたしました。「IFCC法への移行に向けて、診療側にどのような情報提供が必要であるか」ということを考え臨んだ研究です。私たちの研究が標準化推進の一助となれば幸いです。 今後も臨床検査、そして、医療に貢献できるよう励んでいきたいと思いますので、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
