日本臨床化学会とは
臨床化学とは
臨床化学とは、“臨床”という実践に立脚した学問領域です。それは、日常の臨床の場において、分析技術を土台に据えた化学検査を医療に提供する実務サービスとともに、病因・病態の解明や治療・予防に寄与することをめざしています。すなわち、臨床化学は、学術的な側面から実践的な側面、分析化学から臨床 医学までを広く包括し、これを支える多くの学問領域と接しています。したがってこの分野には、大学・研究機関に限らず、病院検査室などの研究検査部門、臨床系各科、産業系研究機関など多岐にわたる研究者、実務家の方々が関わっています。
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目的
日本臨床化学会は、臨床化学、およびこれに関連する分野の進歩発展を図ることを目的として組織されました。臨床化学を構成する多様な分野の各専門領域の研究を十分に踏まえつつ、相互間の交流を図り、さらに全体として有機的に統合して、医療・医学への貢献を図ろうとしています。また、今後は特に産業界との連携を強めるために、平成18年度から企業会員制度を発足しました。
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事業内容
日本臨床化学会は、広い領域にわたる会員の相互の理解と交流を密にし、活発な活動を行うために、年次学術集会、学会誌『臨床化学』の発行事業および学際的かつ専門的な実践研究活動のための各種専門委員会やプロジェクトチームを設置しています。さらに、地域の活動をより活性化するために全国に9つの支部が置かれています。
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国際活動
国際的には、日本臨床化学会は国際臨床化学連合(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, IFCC)やアジア太平洋臨床生化学連合(Asian Pacific Federation of Clinical Biochemistry, APFCB)の加盟学会(団体)となっています。また、国際純正及び応用化学連合の臨床化学部門(International Union of Pure and Applied Chemistry-Clinical Chemistry Div, IUPAC-CCD)や国際生化学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology, IUBMB)とも関連して国際的に活発な活動を続けております。また、2002年には第18回国際臨床化学会議(International Congress of Clinical and Laboratory Medicine, ICCC)が京都で開催されました。
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沿革
日本臨床化学会のあゆみは、1961(昭和36)年に始まった「医化学シンポジウ ム」を起始点として、50年近い歴史をもっています。一方、実践的には 1957(昭和32)年に在京有志による勉強会として「臨床化学分析談話会」が始 まりやがて、夏期セミナー、冬期セミナーの開催を通して全国的な活動として 活性化を図るようになりました。1971(昭和46)年に医化学シンポジウムから 「臨床化学シンポジウム」に名称変更した学術集会はやがて、雑誌「臨床化学」を発刊することを目的として組織された「日本臨床化学研究会」との連携 が協議され、1981(昭和56)年には先に述べた「臨床化学分析談話会」を 含む3組織の合体による「日本臨床化学会」の発足となりました。
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