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Annals of Clinical Biochemistry (ACB)

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日本臨床化学会 事務局
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理事長挨拶(2025年11月)

日本臨床化学会の活動について

一般社団法人日本臨床化学会 理事長
三井田 孝
(順天堂大学医療科学部臨床検査学科)

 2021年4月1日に理事長を拝命して以来、早いもので4年半が経過いたしました。この間、多くの会員の皆様をはじめ関係各位のご支援・ご協力を賜り、学会運営を円滑に進めることができました。ここに厚く御礼申し上げます。
 本学会では、将来の臨床化学を担う若手研究者の育成を最重要課題の一つとして位置づけております。その一環として、「若手育成委員会」の設立、Webによる全国勉強会の開催、ならびに JSCC Student Award の創設等を実施してまいりました。さらに、特別名誉会員である須藤加代子先生から賜りました多大なご寄付をもとに、2025年度より 若手育成助成金(須藤加代子基金) による研究支援事業を開始いたしました。
 また、近年、薬学分野の会員が増加している状況を踏まえ、2024年4月には正式に 日本薬系学会連合 に加盟いたしました。これらの取り組みの成果として会員数は着実に増加し、2025年11月に名古屋で開催された年次学術集会の時点で、会員数が2,000名を超えるに至りました。さらに、会員構成の多様化を受け、理事会において ダイバーシティ委員会 の設置を決定し、より包摂的かつ持続的な学会運営体制の構築を進めております。
 本学会はこれまで、臨床検査の標準化およびクオリティマネージメントの分野において重要な役割を果たしてまいりました。その成果を体系的にまとめた『勧告法総集編』は、2004年の初版(「臨床化学」の補刷として)発行以降、2012年版(書籍)、2020年版(書籍)を出版しております。近年、ALPやLDの測定法がJSCC勧告法からIFCC法へ移行するなど、検査技術の進展に伴い一部内容の見直しが求められております。現在は、堀田多恵子理事を中心に、「勧告法総集編2026年版」 の刊行に向けた改訂作業を鋭意進めております。
 教育分野におきましては、ADLM(旧AACC)が主導し、世界各国の臨床化学会が参画しているe-Learningプログラム 「Learning Lab in Laboratory Medicine」 に、本学会が正式に協力することとなり、デンマークのArea9社と契約を締結いたしました。今後は本プログラム(英語版)の日本語訳を進め、本学会の認定制度単位への導入することを検討しております。
 さらに、JSCCでは国際的な標準化活動にも積極的に取り組んでおります。特に、Lp(a)の世界的標準化およびSI単位への移行については、IFCCとの連携のもと検討を進めており、Lp(a)低下薬の臨床応用が本格化する前に標準化事業を達成することを目指しております。また、Cペプチドの標準化については、米国ミズーリ大学との共同研究により検討を進めております。
 一方、ピットフォール研究専門委員会では、検査室で遭遇する異常データの収集・解析支援を行い、その成果をまとめた解析マニュアルを『臨床化学』の補刷として正式に刊行いたしました。加えて、事例集を学会ホームページ上にフリーアクセス形式で公開しておりますので、会員各位の参考資料としてご活用いただければ幸いです。
 本学会は、学会員の皆様のみならず、国内外の関連学術団体や企業各位との連携を一層強化し、臨床化学の発展と医療の質向上に寄与することを使命として、今後も不断の努力を重ねてまいります。引き続き、皆様のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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