• 氏名：神力 悟
• 所属：熊本大学大学院生命科学研究部
• 研究内容：ゲノム生化学を基盤としたがん研究と診断研究

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自己紹介

2004年九州歯科大学卒業。2010年熊本大学大学院医学教育部修了、博士（医学）取得。2010年より熊本大学病院中央検査部・医員、特任助教、2014年より浜松医科大学・特任助教。2015年熊本大学大学院生命科学研究部 臨床病態解析学講座・講師を経て、2017年より同・准教授（現職）。2023年度より熊本大学病院がんゲノムセンターにてがんゲノム医療に従事（兼任）。

研究の紹介と今後の抱負

　様々な固形がん患者さんで検出される、クラスター化した血中循環腫瘍細胞（CTC）は転移能が高いことが知られておりますが、その特性はほとんど知られておりません。私たちは、DNAバーコーディング法を用いることで、循環血液中の流体剪断応力に適応性を示すCTCクラスターの起源癌細胞集団が存在することを示し、それらが遠隔臓器に優先的に生着することを明らかとしました。そして、このような知見を基に、新たなクローン選択機構「メカノセレクション」仮説を提唱しました。
　また、RNA制御異常に関する研究から、DDX41が転写伸長とRNAスプライシングの連携を担っていることを明らかにしました。そして、DDX41の機能異常による、その連携破綻がゲノム不安定性の獲得や造血障害を引き起こすことを示しました。
　この度の受賞に際し、本学会理事長、選考委員の先生方をはじめ、関係の皆様に厚く御礼申し上げます。また、いつも研究を支えてくださっている当研究室のメンバー、共同研究でお世話になっている先生方に心より感謝申し上げます。由緒ある学術賞の受賞という栄誉を忘れず、今後も精進し、医療および臨床化学の発展に貢献できるよう精進して参ります。今後ともご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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• 氏名：BOMME GOWDA SIDDABASAVE GOWDA
• 所属：北海道大学大学院保健科学研究院
• 研究内容：LC/MS による陸棲および水棲動物の脳内リピドーム解析について　他

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自己紹介

氏名：BOMME GOWDA SIDDABASAVE GOWDA
役職名: 准教授
所属：北海道大学　大学院保健科学研究院　健康科学分野

研究の紹介と今後の抱負

私は2016年に北海道大学で生命科学の博士号を取得し、主にリピドミクス（脂質オミクス）の研究に取り組んできました。脂質はその構造多様性と生体機能の重要性から、健康や疾患管理において非常に注目されています。生体試料や食品中の脂質を高精度で定量する新たな分析法の開発を行い、臨床リピドミクス（心筋梗塞、肥満、インフルエンザ、神経変性疾患等）およびフードオミクス分野（栄養機能解析）で研究を進めてきました。今後は、リピドミクスの技術を用いて疾患の標的やバイオマーカーの発見、栄養健康への応用をさらに拡大し、分子レベルでの病態解明と食品機能の探求に貢献したいと考えています。

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• 氏名：山崎 あずさ
• 所属：東京科学大学病院
• 研究内容：赤血球の体積変化を考慮した赤血球-血漿間脂質転送の解析　他

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自己紹介

2018年：東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 博士（前期）課程 修了
2018年～：東京医科歯科大学（現・東京科学大学）病院 検査部 臨床検査技師
2021年～：東京医科歯科大学（現・東京科学大学） 大学院医歯学総合研究科 博士課程 臨床分析・分子生物学分野（社会人大学院）

研究の紹介と今後の抱負

　この度は日本臨床化学会奨励賞にご選出いただき，大変光栄に思います．選考いただきました学会ならびに選考委員の先生方，研究にご協力いただいている皆様に厚く御礼申し上げます．特に東京科学大学 大川龍之介教授におかれましては卒業研究より10年以上にわたり，ご指導いただいており，心より感謝申し上げます．
　本研究は赤血球コレステロール含有量測定法の開発とその妥当性評価に関連した内容です．現在，臨床では血清中のコレステロールや中性脂肪が動脈硬化性疾患のバイオマーカーとして測定されていますが，血中の約半分を占める赤血球も多量のコレステロールを含み，その含有量と冠動脈疾患の重症度との関連が報告されていることから，将来的な動脈硬化性疾患の残余リスク評価を目指し，簡便な測定法を開発しました（Yamazaki A. et al. Biosci Rep. 45:415-27. 2025）．本測定法にて冠動脈疾患を含む様々な疾患での測定を行い，臨床的有用性について評価していきたいと考えております．
今後も臨床化学および本学会の発展に貢献できるよう，様々な研究や検査業務に励んでまいります．引き続き，ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます．

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• 氏名：森田 賢史
• 所属：東京大学医学部附属病院
• 研究内容：尿中プロスタグランジンE 代謝物の測定法比較と臨床的有用性の解析
  -CLEIA 法とLC-MS/MS 法との相関性-

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自己紹介

2012年　九州大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻 卒業
2014年　九州大学大学院 医学系学府保健学専攻 検査技術科学分野 修士課程 修了
2014年-　東京大学医学部附属病院検査部
2018-2021年　東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 生命理工医療科学専攻 博士後期課程 修了
2021年-　東京大学医学部附属病院検査部 主任臨床検査技師に昇任
現在に至る

研究の紹介と今後の抱負

　この度は日本臨床化学会学会賞（奨励賞）という栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究では「尿中プロスタグランジンE代謝物の測定法比較と臨床的有用性の解析―CLEIA法とLC-MS/MS法との相関性」をテーマに、主として糖尿病性腎症を対象として検討を行いました。尿中プロスタグランジンE代謝物（PGE-MUM）は炎症や腎障害の進展を反映しうるバイオマーカーとして期待されており、本研究ではCLEIA法とLC-MS/MS法の相関性および臨床的有用性を解析しました。PGE-MUMにおいて両者の相関性を詳細に検討した報告はこれまでになく、本研究は測定法の妥当性を示す新規性の高いデータになったと考えています。
　今後は、LC-MS/MSによるリピドミクス解析を基盤として、糖尿病性腎症をはじめとする各種腎疾患において、尿や血液中脂質プロファイルと病態進展・予後との関連をより精緻に解析し、臨床現場で活用可能な新たなバイオマーカーの確立や治療標的の探索につなげていきたいと考えております。
　選出いただいた学会ならびに選考委員会の諸先生方、日頃より研究指導を賜っている先生方、共同研究者の皆様、日々ともに臨床・研究に取り組む同僚の皆様に心より感謝申し上げるとともに、本賞を励みとして、今後も臨床に根ざした研究を継続していく所存です。

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• 企業名：富士レビオ株式会社
• 研究内容：質量分析にトレーサブルなアルドステロン測定試薬『ルミパルス アルドステロン』、『ルミパルスプレスト　アルドステロン』の開発

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会社紹介

　この度は日本臨床化学会において栄えある学会賞 技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。
本賞の選考にあたりご尽力いただきました学会賞選考委員会および関係の先生方に深く感謝申し上げます。
　富士レビオ株式会社は、ヘルスケア市場に新たな価値を創生し人々の健康と医療の未来に貢献していくことを使命としています。当社は1966年には世界初の梅毒検査製品を開発するなど、医療現場に貢献する技術を提供してきました。現在の主力製品である化学発光酵素免疫測定装置「ルミパルス®」シリーズは、感染症、腫瘍マーカー、自己免疫疾患および神経疾患など幅広い検査項目をカバーし、世界中の医療機関で高精度かつ迅速な検査を可能にしています。また、国際的な品質基準に基づいた製造体制を確立することで高品質な製品の開発と製造に取り組んでいます。
今後も「人々の健康と医療の未来に貢献する」という理念のもと、革新的な検査技術を追求し、信頼性と品質を第一に、「世界が必要としている臨床検査薬」をいち早く世界中の人々にお届けすることを目指して参ります。

研究の紹介と今後の抱負

　ルミパルス/ルミパルスプレスト アルドステロンは、副腎皮質ホルモンであるアルドステロンの血中濃度を高感度・高精度に測定する全自動免疫測定試薬です。従来の競合法による測定法（SPAC-S　アルドステロン）は、低値域での精度や再現性に課題がありましたが、本製品はサンドイッチ法を採用し、独自に開発したモノクローナル抗体と抗メタタイプ抗体を組み合わせることで、低濃度域でも高い精度と再現性を実現しました。さらに、日本で確立された認証標準物質（CRM6402）にトレーサブルな測定値を提供し、LC-MS/MS法と同等の測定値を一般検査室でも簡便に得られます。
　本試薬は、原発性アルドステロン症などの診断や高血圧管理、内分泌疾患の治療において重要な役割を果たし、原発性アルドステロン症診療ガイドライン改訂にも寄与しています。また、欧州IVDR承認も取得し、世界の臨床現場での活用も期待されています。
今後も本技術をはじめ、臨床検査の発展に寄与できるよう、さらなる研究に努めてまいります。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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• 企業名：株式会社日立ハイテク
• 研究内容：加温洗剤を用いた試料プローブ洗浄方法の開発

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会社紹介

　この度は、栄誉ある日本臨床化学会 学会賞 技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。
　学会代表理事、学術集会長、選考委員会の先生方をはじめ、本製品の開発にあたりご協力・ご指導いただきました皆様に、心より御礼申し上げます。

　株式会社日立ハイテクは、「知る力で、世界を、未来を変えていく」という企業ビジョンのもと、社会課題の解決に貢献する事業を展開しています。
　ヘルスケア事業では、臨床検査用自動分析装置をはじめとした診断事業と、放射線治療システムをはじめとした治療事業を通じて、誰もが安心・安全に暮らせる、笑顔あふれる社会の実現を目指しています。
　今後も、一人ひとりに最適なヘルスケアサービスの提供に向け、デジタルとイノベーションで貢献できるよう努めてまいります。

研究の紹介と今後の抱負

　生化学自動分析装置のサンプルプローブに対するメンテナンスは、汚れの蓄積に伴う分注精度の悪化を防止するために極めて重要な作業です。弊社の従来装置でメンテナンスとして推奨している手作業での拭き取り清掃に関して、手間がかかる他に作業者のスキルにより清掃効果に個人差が生じるなどの課題がありました。
　これら課題の解決のため、“サンプルプローブヒート洗浄機能”を開発し、2024年8月に発売したLABOSPECT 006 αに搭載しました。本機能は、試料由来の成分として含有量の多いタンパク質や脂質汚れを目的とした、加温したアルカリ洗剤でプローブを洗浄する機能です。洗浄時に洗剤温度をタンパク質や脂質の除去に適した温度に管理すること、および、試料付着範囲に応じた箇所を洗浄することで、手作業による拭き取り清掃と同等の洗浄効果を実現しました。
　これにより、手作業でのサンプルプローブの清掃頻度低減を実現しました。また、清掃効果に個人差がなくメンテナンスを実施できることで、測定結果の信頼性向上にもつながると期待しています。
　我々は今後も医療現場における課題やニーズに対して真摯に向き合い、価値ある製品の提供を通じて医療の発展に貢献していきたいと考えています。

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• 企業名：ナガセダイアグノスティックス株式会社
• 研究内容：グリコアルブミン標準化対応キットの開発及び標準化への貢献

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会社紹介

　日本臨床化学会において技術賞を拝受し、誠に光栄に存じます。学会代表理事、学術集会長、選考委員会の先生方、そして本製品開発にご尽力いただいた関係者の皆様に、深く感謝申し上げます。
　ナガセダイアグノスティックス株式会社（Nagase Diagnostics Co., Ltd.）は、2025年7月に旭化成ファーマの診断薬事業を母体として設立され、NAGASEグループの一員として新たなスタートを切りました。
　当社の事業領域は幅広く、糖尿病管理に用いる「ルシカGA-L」などの体外診断用医薬品の製造・販売をはじめ、診断薬用酵素の開発・製造、さらに免疫抑制剤「ミゾリビン」などの医薬品原薬の製造にまで及びます。特に診断薬用酵素の分野では、世界トップクラスの技術力を有し、精度の高い検査を支える製品を国内外に提供しています。
　私たちは、バイオテクノロジーの力を活かし、革新的な技術と製品を創出することで、医療の質向上と人々の健康に貢献することを使命としています。グループビジョンである「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現」を、国内外のパートナー企業とともに追求し、未来の医療に新しい価値を提供してまいります。

ナガセダイアグノスティックス（株）Webサイト
https://group.nagase.com/nagasediagnostics/

研究の紹介と今後の抱負

　グリコアルブミン（GA）は、過去2〜3週間の血糖状態を反映する中期的な血糖管理指標として、糖尿病診療において重要な役割を果たしています。当社は、GA酵素法の世界初開発・商業化を実現し、米国・中国・日本など各国のガイドラインにも記載されるなど、臨床現場での有用性を科学的に裏付けてきました。しかし、従来は測定法やメーカーごとに結果にばらつきがあり、標準化が課題となっていました。
　そこで、日本臨床化学会（JSCC）と連携し、ID-MS法による国際単位（SI）トレーサビリティの確立や、常用参照標準物質JCCRM611-1に基づく標準化対応キット「ルシカ® GA-L2」を開発しました。本キットは、キャリブレーターの改良や安定性向上により、測定値の一貫性と信頼性を大きく向上させています。今後は、国際展開と標準化のさらなる普及を目指し、臨床現場での有用性向上や新たな臨床意義の開発に努めてまいります。本キットが糖尿病診療の質向上と患者さんの健康維持に貢献できるよう、引き続き努力していく所存です。

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• 氏名：久米　幸夫
• 所属：東京大学医学部附属病院　検査部
• 論文名：Development of blood collection tubes for glucose measurement using adenosine
  3-phosphate and sodium fluoride as glycolytic inhibitors

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自己紹介

現在、埼玉県立大学　大学院　博士後期課程在学中。1990年～2002年、帝京大学医学部附属病院　中央検査部　主任臨床検査技師。2002～現在、東京大学医学部附属病院　検査部　主任臨床検査技師。一級臨床検査技術士(臨床化学)、日本臨床化学会　評議員、日本臨床化学会　糖尿病専門委員会委員、日本医療検査学会　評議委員、日本医療検査学会　評議員、日本生物試料分析化学会　常任理事。

研究の紹介と今後の抱負

　この度は日本臨床化学会・論文賞を受賞し、大変光栄に存じております。選出していただき誠にありがとうございます。学会ならびに選考委員会の先生方、関係者の方々に心より感謝を申し上げます。また、ご指導いただきました蔵野教授、及びご協力いただきました皆様に心より感謝いたします。
　受賞に関わる研究テーマは、採血４時間後まで採血管中の血糖値が低下することが知られており、本研究では新たな即効性の解糖阻止剤を従来の採血管に添加することで採血後の血糖値低下を緩和することを目的としました。最近研究でATPがグルコ－ストランスポ－タ－(GLUT)を阻害することが報告されたことから、採血管にATPを添加した改良採血管を作成しました。そして改良採血管を使用することで、早期糖尿病の見逃しを防止することができるものと考えております。この改良採血管は血糖値の低下を抑制するだけではなく、溶血もわずかであることからHbA1c測定にも使用できる採血管です。
　今回の受賞を励みに、今後も日常の検査室から臨床へ貢献できる研究等に尽力していきます。
　今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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