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日本臨床化学会 事務局
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自己紹介
東京大学医学部卒、同大第一内科第4研究室に入り、診療科再編により平成10年消化器内科所属となる。平成14年同医局長を経て16年より検査部所属へ。翌17年より同副部長。
研究紹介
このたびは学術賞に選出いただき誠に有難く、大変光栄に存じております。小生、内科研究室に入室以来、肝臓病、とくに線維化について検討して参りました。当初、肝線維化に重要な星細胞を研究対象とし、これに作用する物質としてリゾリン脂質に行き当たり、幸運にも同物質が生体において肝線維化にとどまらず、種々の肝臓病の病態形成に深く関与する証拠をつかみつつあります。今後、診断学、治療学への応用を目指して行きたいと考えております。また、この比較的基礎的な研究に加え、検査部に移りましてからは臨床的な検討として、肝細胞がん血液マーカーとしてのミトコンドリア型クレアチンキナーゼ、肝発癌リスクを表す血中ADAMTS13を見出し、腹部エコーで認められる肝門部リンパ節腫脹が肝発癌やC型肝炎インターフェロン治療効果と関連することも明らかとして参りました。今後も、新たな臨床的知見の解明にも取り組んでいく所存です。
自己紹介
2008年3月、大阪大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒業、2008年4月、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程に入学。2010年3月、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程修了後、同年4月、大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門に就職(現職)。2011年4月、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程に社会人入学し、2014年3月、博士(保健学)を取得。
自己の研究紹介と今後の抱負
この度は伝統ある日本臨床化学会の奨励賞を受賞させていただくことができ大変光栄に存じます。学会並びに選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。私は、「一塩基多型による自己免疫性甲状腺疾患の予後予測検査法の開発」というテーマで研究をしております。自己免疫性甲状腺疾患にはバセドウ病、橋本病があり、バセドウ病では投薬治療を長期間行っても寛解導入が困難な難治性を示す方がおられ、橋本病では重症化したことで治療が必要となる患者さんが一部おられます。現在の検査法では患者さんの病態予後(難治性・重症化)を予測することは困難です。一塩基多型は出生時から変化することがない安定したマーカーであり、一塩基単位の変異であるため測定が容易であることから臨床検査への応用が可能であるという大きな特徴があります。したがって、当研究室では一塩基多型を用いた自己免疫性甲状腺疾患の予後予測検査法の開発を目的として研究を行っております。
私は、今までにサイトカイン(TNF-α, IL-6)、T細胞分化制御因子(Foxp3)、AITD疾患感受性遺伝子(CTLA-4, PTPN22, FCRL3, CD40, ZFAT)、甲状腺特異抗原(TSHR)等に存在する遺伝子多型を解析し、予後予測検査法への有用性を明らかとしております。今度はさらに、感度・特異度の高い予後予測検査法の開発をめざし、さらに解析を進めていきたいと考えております。皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願いします。
自己紹介
現所属：National Institutes of Health（前所属: 北海道大学大学院保健科学院）
研究紹介と今後の抱負
この度、論文賞に選出して頂きまして、学会および選考委員の諸先生方に感謝申し上げます。また、受賞論文の研究は、前所属の千葉仁志教授の御指導の下に行われたもので、千葉教授をはじめ共著者の皆様に深く感謝いたします。
さて近年、LDLに比べて小型で比重の大きいsmall dense LDLが動脈硬化性疾患やメタボリックシンドローム、糖尿病などの様々な疾患と関連するという報告されています。これまでのリポタンパク質の粒子径の計測法には一長一短があり、よりハイスループットな方法が求められていました。そこで我々は、ナノレベルの分解能を持つ原子間力顕微鏡（Atomic force microscopy）が、ナノレベルのLDL粒子径の変化を解析できる可能性があると考えました。本論文では、表面が平らな雲母にリポタンパク質を固定し、その粒子の凹凸を原子間力顕微鏡で検出し、一粒子ごとに粒子径を算出するという一連の手法を開発しました。特に、LDLの亜分画（small dense LDLとlarge LDL）の粒子径を一粒子ごとに計測し、それらを鑑別できる事を証明しました。
一般に、原子間力顕微鏡は粒子径だけでなく粒子数、形状、親水性/疎水性、電荷、硬さなどの解析に対して高いポテンシャルを持ち、既存の計測法では得られないこれらの情報が新たな発見を生む可能性があると期待されます。また、本研究テーマは工学部との共同研究から発展した経緯があります。臨床検査と異分野との境界領域の研究は、研究の独自性を生むだけでなく、臨床検査の発展に貢献できると私は信じています。
