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日本臨床化学会 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10-605
株式会社エム・シー・アイ内
TEL.03-3354-2006
FAX.03-3354-2017
jscc@mc-i.co.jp
自己紹介
2007年名古屋大学大学院医学系研究科博士課程前期課程 修了（医療技術学修士），同年名古屋大学医学部附属病院 医療技術部臨床検査部門 入職，2008年名古屋大学院医学系研究科医学博士課程 入学（社会人大学院生），2011年同大学院医学系研究科医学博士課程 短縮修了，博士（医学）取得，2011年Whitaker Cardiovascular Institute, Boston University School of Medicine，Postdoctoral Fellow，2013年名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門に復職し，現在に至る。
研究の紹介と今後の抱負
この度は，歴史ある日本臨床化学会の2020年日本臨床化学会「学術賞」にご選出頂き，大変光栄に存じております。学会ならびに選考委員会の諸先生方、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。私は，Bedside to Bench, Bench to Bedsideの双方向から臨床検査業務と研究を実践することを目標に2007年に名古屋大学医学部附属病院へ入職しました。入職後は診療支援を臨床検査技師の立場から行うことを第一に研鑽させていただきました。その一方で，2008年からは社会人大学院生として室原豊明教授のご指導のもと、高度先進医療である血管新生療法に関する研究を行いました。博士取得後は、臨床検査値と病態との矛盾点に興味を持ち、米国ボストン大学でKenneth Walsh教授のもと、末梢動脈閉塞性疾患と血管内皮細胞増殖因子との関連について研究を展開しました。今回の受賞内容は、米国での基礎研究成果を実臨床への応用を目指したこれまでの集大成ともいえる内容です。今後も、臨床検査技師だからこその視点から実臨床への応用ができるような研究を「臨床化学」の精確性の精神を心に据えて進めていきたいと思います。
自己紹介
2009年、熊本大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒業
2011年、同大学大学院医学教育部修士課程修了
同年、熊本大学大学院生命科学研究部生体情報解析学講座、助教
2014年、同研究部構造機能解析学講座、助教（現職）
2015年、同大学大学院医学教育部博士課程修了、博士（医学）
2017-2018年、Department of Molecular Medicine, University of Pavia, Pavia, Italy、客員研究員
研究の紹介と今後の抱負
この度は、歴史ある臨床化学会の奨励賞にご選出いただき、学会ならびに選考委員会の諸先生方、ご指導いただいた長崎国際大学 教授 安東由喜雄先生、熊本大学大学院 教授 大林光念先生、同大学大学院 教授 植田光晴先生、教室の先生方に厚く御礼申し上げます。
私は、これまでアミロイドーシスの診断法の開発や病態解析を軸に研究に取り組んで参りました。その中で、消化管に原因不明アミロイドを呈する症例を経験致しました。レーザーマイクロダイセクションおよびLC-MS/MSを用いた解析法を駆使し、本症例からアミロイド原因蛋白質として過去に報告のないEGF-containing fibulin-like extracellular matrix protein 1（EFEMP1）を同定しました（Tasaki et al., J Pathol 2019）。さらに、剖検組織を用いた解析により、本アミロイドは加齢に伴って沈着することを突き止めました。今年、EFEMP1は新型のアミロイド原因蛋白質として、国際アミロイドーシス学会のアミロイド分類委員会より承認を得ました（Benson et al., Amyloid 2020）。
今後も、アミロイドーシスの病型診断法の開発および病態解析はもちろんのこと、幅広い領域の研究に取り組み、医学および本学会の発展に貢献できるよう精進して参りますので、今後とも何卒ご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
自己紹介
1999年藤田保健衛生大学（現藤田医科大学）衛生学部卒、同年岐阜大学医学部附属病院検査部入職。2006年岐阜大学大学院医学系研究科修了、博士（医学）取得。2006年よりアメリカ国立衛生研究所（National Institutes of Health）研究員、2011年広島国際大学保健医療学部講師を経て、2017年より藤田医科大学医療科学部講師。
研究の紹介と今後の抱負
この度は日本臨床化学会奨励賞にご選出いただき、心より感謝申し上げます。学会代表理事、学術集会長、選考委員会の先生方、ならびに日頃より御指導いただいている研究室の先生方に厚くお礼申し上げます。
キヌレニン経路は、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンを代謝する経路の一つです。トリプトファンはセロトニンなどの神経伝達物質の材料となることで知られていますが、生体内のほとんどのトリプトファンはキヌレニン経路により代謝されます。キヌレニン経路により産生する中間代謝産物は、がんや精神神経疾患の病態に関与することを我々の研究室は明らかにしてきました。生体試料中の中間代謝産物の測定はこれらの疾患のバイオマーカーとして利用できる可能性があり、現在、高速液体クロマトグラフィーや質量分析計による測定を用いた各種疾患の病態解析を行っています。また、キヌレニン経路中酵素の阻害剤の開発も行っており、特に精神疾患の治療薬の開発を目指した研究も行っています。
今後はこれまでに得られた研究成果を展開させ、臨床に結びつくような診断薬・治療薬の開発を目指してさらに研究を進めていきたいと考えております。今後とも皆様の御指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。
会社紹介
この度は日本臨床化学会学会賞(技術賞)を拝受し、誠に光栄に存じます。代表理事、選考委員会の先生方、研究開発の御指導を頂いた諸先生方に心より感謝いたします。
シスメックス株式会社は「ヘルスケアの進化をデザインする。」を企業理念のミッションに掲げ、受賞対象となりました本システムを含めた臨床検査機器、検査用試薬ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入を通じて日本及び世界中の医療へ貢献して参ります。
研究の紹介と今後の抱負
OncoGuideTM NCCオンコパネル システムは国立研究開発法人 国立がん研究センター様とシスメックスが共同開発し、がんゲノムプロファイリング用として2019年6月に本邦初の保険適用となった検査システムです。本システムは、がん種を特定せず固形がんを解析対象として、がん関連の114遺伝子に関するプロファイルを取得し、 遺伝子異常（変異：SNV, InDel、増幅：CNA、融合：Fusion）を検出します。本システムの特徴として、 腫瘍組織の対照として同一患者の非腫瘍細胞（全血）を用いるため（マッチドペア検査）、患者固有の遺伝子多型を除外可能となり、精度の高い体細胞遺伝子変異の検出や腫瘍変異負荷（TMB）の算出が可能となることが挙げられます。また海外の遺伝子パネルには搭載されていないが本邦のがんゲノム医療に有用な遺伝子（BCL2L11/BIM遺伝子、NRG1融合遺伝子など）が搭載されていることも特徴の一つです。さらにマッチドペア検査により生殖細胞系列遺伝子変異との区別が可能となり、治療効果が期待される医薬品の選択肢が広がると考えられます。弊社は今後も遺伝子検査のみならず、様々な検査の分野で医療へ貢献できるよう研究開発を推進して参ります。
会社紹介
この度は日本臨床化学会 学会賞（技術賞）を頂き、誠に光栄に存じます。
株式会社 島津製作所は、受賞対象となりました全自動前処理装置付きLC-MS/MSシステムを含めた質量分析技術と画像技術の融合など、健康寿命の延伸を目指したアドバンスト・ヘルスケア研究開発を日々進めて参ります。
研究の紹介と今後の抱負
代謝物との交差反応がなくゴールドスタンダード法とも言われているLC-MS/MSを用いて血中濃度測定を行う場合、前処理の煩雑さの他に、多くのケースで測定薬剤ごとに移動相やカラムが選択されており、測定薬剤の切り替えにはこれらの交換を要することが大きな課題となっております。今回受賞対象となりました「全自動LC-MS/MSシステムと免疫抑制剤分析キットを用いた同一プラットフォームによる免疫抑制剤4薬剤の分析」では、作業者の手技による介入を伴わずに前処理からLC-MS/MS分析まで全自動で行うことができる全自動前処理装置付きLC-MS/MSシステムと免疫抑制剤分析キットを用いて、同一プラットフォーム（移動相やカラムが共通）による低負荷かつ信頼性の高い免疫抑制剤（タクロリムス、シクロスポリン、エベロリムス、ミコフェノール酸）の血中濃度測定法を開発いたしました。今後、抗体が不要であるLC-MS/MS法の特長を生かし、抗てんかん薬、抗真菌薬、抗がん薬、抗ウイルス薬(COVID-19治療薬候補)等の血中濃度測定において、簡便かつ信頼性の高い分析系を構築し、臨床化学の発展に貢献できるよう研究開発を行ってまいります。
上段左 堀川知成、上段右 松木友里、
下段左から 柏倉春香、照内友也、佐々木大介
会社紹介
この度は栄えある日本臨床化学会学会賞(技術賞)を頂戴し、誠に光栄に存じます。
代表理事、選考委員会の先生方、研究開発の御指導を頂いた先生方に心より御礼申し上げます。
ニットーボーメディカル株式会社の体外診断用医薬品は、「N-アッセイ」ブランドとして広く認知して頂いており、CRP、免疫グロブリン、尿中微量アルブミンなど免疫項目を中心に、多くの測定試薬についてご好評を頂いております。
また、米国グループ企業（Nittobo America Inc.,）と連携し、日東紡グループ内で抗血清などの原料から製品まで一貫製造する体制を有しているため、高品質な体外診断用医薬品の安定供給を国内外で実現しております。
今後も「免疫のニットーボー」として、臨床化学を通した患者様への適切な治療に貢献できるよう努めてまいります。
研究の紹介と今後の抱負
「N-アッセイ LA IgG4 ニットーボー」は一般的な検査室が保有する汎用自動分析装置に適応可能なIgG4測定試薬を目指し開発されました。
血清IgG4はIgG4関連疾患（IgG4-RD）の診断、治療、再発モニタリングに使用されるマーカーです。従来は特定の測定装置を保有する大手検査センターのみが測定可能でしたが、本試薬により汎用自動分析装置を保有するどの検査室でも測定でき、不可能であった即日検査及び報告が可能となりました。
また試薬開発にあたっては、①IgG4は他のサブクラスとの相同性が高く、特異性を担保するのが難しいこと、②健常人とIgG4-RD両方を測定できる広い測定レンジが必要であること、③IgG4-RDではIgG4濃度が5,000mg/dL程度まで上昇することがあり、フック現象の回避が必須であること、の3点が技術的課題でした。
そこで本試薬では、①特異性の高いマウスモノクローナル抗体を使用すること、②500mg/dLまでの広い測定レンジを有していること、③免疫比濁法の競合法により、フック現象を起こさない試薬設計にしたことでこれらの課題に対応しております。
本試薬により、IgG４-RDの診断、治療、再発モニタリングに臨床化学の側面から貢献していきたいと考えております。
会社紹介
この度は栄誉ある日本臨床化学会学会賞 技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。選考いただきました、日本臨床化学会代表理事、第60回学術集会会長、選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。
富士レビオ株式会社は H.U.グループの一員として、「新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」という経営理念に則り、臨床検査試薬、分析システムの開発に取り組んでいます。私たちは新規測定技術開発を通じてより良い診断を可能とする製品を提供していきます。
研究の紹介と今後の抱負
レニンは「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系」を介して血圧をコントロールする酵素であり、血中レニン値の正確な測定は、原発性アルドステロン症の診断において非常に重要です。血中レニン値の測定法としては、酵素活性を測るレニン活性測定が以前より使用されてきましたが、測定に長時間を要し、内在性基質の影響を受けるという課題があります。また、近年これに代わる測定法として活性型レニン濃度測定が開発されましたが、高血圧治療薬である直接レニン阻害剤存在下で阻害剤が結合した非活性なレニンも検出し、偽高値化するという問題点があります。そこで私たちは直接レニン阻害剤が結合した非活性レニンを認識しない抗体を樹立することで、既存試薬の問題点を解決した全自動活性型レニン濃度測定試薬「ルミパルス レニン」「ルミパルスプレスト レニン」を開発しました。両試薬は、短時間でレニンを測定でき、且つ、直接レニン阻害剤存在下においても活性型レニンのみを測定することができるユニークな試薬です。これにより薬剤治療下においても正確な病状把握・診断・治療効果判定が可能となることが期待されます。私たちはこれからも先進的な技術開発により、新たな価値を生む独自性の高い試薬を開発し、世界の医療に貢献できるよう努めてまいります。
自己紹介
2008年九州大学医学部保健学科検査技術科学科卒業．その後，久留米大学附属病院臨床検査部で2年，福岡県済生会福岡総合病院で3年，臨床検査技師として主に生化学検査に従事．進学のため離職し，九州大学医学系学府保健学専攻に進学．同大学院で2015年に修士号，2019年に博士号（保健学）を修得．2016年4月より国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科で助教として勤務，現在に至る．
研究紹介
この度は名誉ある日本臨床化学会「論文賞」にご選出いただき大変光栄に存じます．学会並びに選考委員会の諸先生方，本学会の諸先生方に深くお礼申し上げます．また研究をご指導いただきご推薦していただきました栢森裕三先生，共著者の先生方，その他私を応援し，支えてくださったすべての方々に深く感謝申し上げます．
大学院入学から現在に至るまで，「特別な機器を使用しない，簡単な検査法の開発」という点に特化して研究を行っています．科学技術の進歩に伴いあらゆる成分が測定できるようになりましたが，特別な設備，特別な技術を要するものでは検査として世に広く浸透することが難しいと考えるからです．検出に取り組む多くの成分が微量であることが多いため，可視光部での測定でいかに高感度な系を構築できるかが研究の大きなテーマとなっています．こちらを立たせるとあちらが立たない，といったジレンマと日々戦いながらの研究ですが鋭意努力して参りますので今後とも暖かい目で見守っていただけますと幸いです．
